どじょっこの会(不登校・登校拒否を考える東久留米の会)

基調報告

20211013の文科省の発表によると、不登校児童生徒数は,小学校63.350 人(前年度53.350 人),中学校132.777人(前年度127,922 人),小・中の合計で196.127 人(前年度127,922人)であり,在籍者数に占める割合は小学校0.8%(前年度0.7%),中学校3.9%(前年度3.6%),全体では1.9%(前年度1.7%)。児童生徒数が減少しているなかで、不登校・登校拒否の子どもたちは2013年から8年連続で増え続け、過去最多になっています。

新型コロナウイルスの感染は3年目になり、それに伴う学校生活は様々に変化しました。学校は感染の対応に追われ続け、コロナ感染への恐怖は続いています。学校が安全安心の場所になりきれないことも不登校の原因に加わって、不登校は増加し続けています。 

 学校へ行くのが当たり前だと思っていたのに、学校へ行こうと思うだけでお腹が痛かったり、微熱が出たり、頭が痛くなったりなどの身体的な症状が出て登校できなくなる子どもたちがいます。親や教師はその原因を探し、解決の糸口を求め、一日も早く学校に行かせようとしますが、うまくいきません。その後も欠席が続きます。不登校の理由はさまざまです。子どもたちはなんだか自分が自分でいられないような不安を抱いたり、先生の指示通りに頑張りたいけど様々な葛藤があり疲れきってしまったりします。その時の心や身体の状態が学校では満たされないことが多くあります。自分の心が壊れないためには苦しくなるところから離れて休むしかありません。学校に行くのが当たり前だと考える親と、学校を休むしかない子どもの間には大きな溝ができます。辛い現実です。学校や世間一般は不登校になった事に否定的で、親の育て方や子どもの資質に短絡的に結びつけることが多く、その歪んだ価値観を全身で浴びる親や子は肩身の狭い気持ちでいっぱいになり自分を否定してしまいます。 

 どじょっこの会は不登校の子をもつ親の会です。毎月開いています。わが子が不登校という同じ悩みをもつ親が集まり、自分の状況を話したり、不安や怒りを聴きあったり、時には涙にくれたりします。気持ちを分かり合える仲間の存在にホッとします。仲間との和んだ語り合いのなかで自分の気持ちを整理し、自分にできることを考えます。「ひとりで悩む親をなくしたい」これが親の会の最大のメッセージです。

不登校は子どもの心のSOSです。親は子どもを学校に行かせるよりも子どもが元気で生きていること、ありのままで生きていることが大事だと気づきます。その気づきはひとりで悩んでいるとなかなか到達できないものです。親の会では語り合うことを大事にし、つながりの中で親が自分自身の生き方を探っていくのだと考えています。


 子どもたちは不登校を認めてもらい、疲れた身体と心を家庭でゆっくり休ませ癒されていくと、生きるエネルギーが少しずつ溜まっていきます。個人差はありますが、やがて「ヒマだな」とつぶやくようになります。親や傍にいる大人は子どものつぶやきに耳をすまし、動き出すまで待ちます。それは学校に行くことかもしれません。友だちとゲームをするとか、大好きな推しのライブに参加するとか映画やコンサートを観に行くとか、いろいろです。大事なのは、学校復帰を強要しないことです。その子の生きる意欲を認め、その時にできる応援をすることです。

 98%の子どもが学校に通っている中で、たった2%の不登校です。しかし98%の子どもの中には、学校に行きたくないけれど無理して行っている、不登校予備軍の子どもたちがいます。自分の身体や心を奮い立たせて、学校に通い続けています。

もしも、学校がどの子にも楽しい場所であれば、不登校は減っていくのではないでしょうか。2013年から、それまで減っていた不登校の児童生徒数は増え、現在まで増加し続けています。2013年には学力テストが全国一斉になり、都道府県や自治体間での競争が表面化しました。教員の多忙さはよく知られています。学校が学力や成果を追い求めるのではなく、子どもがのびのびとゆっくり育つ環境になり、どの子も大事に育っていくことを保障できる場になることが、不登校の子どもをなくすことに直結するのではないでしょうか。同時に学校以外にも、フリースクールや居場所など多様な教育機関が存在してほしいものです。

「どじょっこの会」は、悩みを語り聞き合って、ひとりぼっちではないと励まし合います。毎月第2土曜日の午後2時から5時までコムーネハウス(市内前沢)で定例会を開催しています。毎年11月には進路学習会を開き、自分に合った進路選びができるように情報提供しています。また、不登校の子どもたちの居場所として「居場所オニバスの種」を毎週月・水・金曜日、午前10時から午後2時までコムーネハウスで開いています。

もしも、ひとりで悩んでいる方がいらしたら、「どじょっこの会」、「居場所オニバスの種」を紹介してください。

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